A_野麦峠の釜めし
2020年9月13日にオオゼキ大森店で購入(980円)

峠の釜めしのヒットは、駅弁界に大きな衝撃を与えました。そもそも土釜に入れた駅弁は国鉄当局が販売許可を出しませんでしたが、(※)強硬的に売り出した荻野屋が大きな反響を呼んだことで、あとに続く駅弁屋が続出。平成4(1992)年時点では全国に47種類の釜飯駅弁があったようです。そして、令和に入った現在でも根強い人気を誇っています。
(※)国鉄当局は許可を出さなかったが、横川駅長が出した独断の許可をもとにこっそり販売開始した経緯がある。

IMG_8859


タケノコ、栗甘露煮、ホタテ、シイタケ、ニンジン、銀杏、うずら、鶏肉照り焼きと、乾燥した卵そぼろを散らしたそつのない内容の鶏五目釜めし。ただし何が「野麦峠」なのかは全くもって謎(というか丸政は山梨県の駅弁屋)。野麦峠から見える乗鞍岳(北側)と御嶽山(南側)の雄大な自然をイメージしているようです。

ただ、しっかりとした五目釜めしながら、980円という価格改定が良く、駅弁大会にひっぱりだこにされるのがよく分かりました(23年9月追記:現在は1,060円)。最初は『あゝ野麦峠』のイメージが強すぎて悲愴な釜めしかと思ったら、普通においしかった。

◆野麦峠(のむぎとうげ)・・・岐阜県高山市と長野県松本市の県境にある峠。飛騨国と信濃国を結ぶ交通の難所として知られ、明治時代には岡谷・諏訪にある製糸工場へ出稼ぎに行く少女たちが往来した。