A_おぎのや御寿司
1997年9月28日に調製(400円)


かつて群馬県の横川駅で販売されていた駅弁。1897(明治30)年の発売と伝えられています。しば漬の太巻き2個、奈良漬の太巻き3個、いなり寿司4個に紅生姜、パセリを添えた内容。 1950年代ごろまで駅弁には郷土性というものがあまりなく、おおよその駅で幕の内弁当と寿司(=助六)だけが売られていました。おそらくこれも駅弁黎明期の味をそのまま続けていたのでしょうが、大ヒット作「峠の釜めし」の登場まで荻野屋を支えていたメニューだったのは間違いありません。

2000年代のうちに終売となりましたが、2017年の「駅弁味の陣」に合わせて期間限定で当時のレッテル付きで復刻されました。

ラベルを見ると97年9月28日の文字があり、ちょうど発売100周年時に食べたことが分かります。この3日後に北陸新幹線が長野まで開業し、横川駅と軽井沢駅を結ぶ区間(通称:横軽)と、そこを通っていた特急あさまが廃止されました。碓氷峠惜別のために訪れたファンは、この無粋な助六寿司を食べて何を思ったのだろうか。