A_大山おこわ弁当
2022年3月30日におみやげ楽市米子店で購入(1,050円)




伯耆冨士とも呼ばれる大山(だいせん)は標高1,709mを誇り、1936(昭和11)年には日本で3番目の国立公園に指定。その後1963(昭和38)年には蒜山地域、隠岐島、島根半島、三瓶山地域が追加され、現在の大山隠岐国立公園となりました。

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その大山を眺めることができる鳥取県西部では、大山山麓の食材を生かした郷土料理「大山おこわ」がハレの日のご馳走として各家庭で受け継がれてきました。古くは僧兵が食したという醬油味のおこわが端を発しているとか。その昔は旧郡名にちなんだ「汗入(あせり)おこわ」と呼ばれていたそうです。


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鉄道では日本食堂米子営業所の名物メニューとしても知られ、特急まつかぜ、寝台特急出雲で味わうことができたそうです。駅弁としての詳細な登場時期は不明ですが、昭和に登場をしていたことは間違いありません。以前は井桁の容器におこわだけ(+香の物)が盛られていましたが、リニューアル後は竹籠型の容器におかずが付いてくるようになりました。

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大山おこわは「大山山麓の食材を使った醬油味のおこわ」というざっくりとした定義があるだけで、家庭料理として伝承されてきた背景があるように、具材もまちまちのようです。

米吾が手掛ける大山おこわでは、栗、人参、椎茸、鶏肉、銀杏、ごぼうを使用。その昔はクルミが入っていたとか。鶏肉からとっただし汁を、水打ちしながら蒸す技法によって独特のふっくら感を出しているとか。

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おかずは玉子焼、つくね串、煮物(フキ、エビ、カボチャ)、とうふちくわ、山芋とカニの磯辺揚げ。煮物は白だし使用のあっさりめで、玉子焼がとても食べごたえがありました。磯辺揚げはズワイガニを使用しており、山陰らしいお菜となっています。

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炊き込みご飯の弁当を「七難隠し」と嫌っていた林順信先生ですら☆5つの評価を付けた(詳しくは日本交通公社刊『順信・しのぶの平成駅弁食べまくり』を参照)ようにとても味がよく、以前はおかずがなかったのもうなずけるほど箸が進みます。米子といえば吾座衛門鮓が有名ですが、ぜひこちらも味わっていただきたいです。


栄養成分表示(100gあたり)
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エネルギー:179kcal
たんぱく質:7.2g
脂  質 :4.0g
炭水化物 :28.4g
食塩相当量:1.04g