
1980年代後半の発売か。その名の通りエビフライと山菜が自慢の弁当で、大きなエビフライが2尾載ったほか、アスパラガスの天ぷら、ワラビ、ゼンマイ、しめじ、シイタケなど山菜が盛りだくさんの内容。ご飯は白飯の幕の内タイプでした。当時の写真を見ると個包装のタルタルソースが入っており、ひょっとしてタルタルソースを駅弁に初めて入れたのは、これが最初ではないかと思っています。
もともと駅前で新聞縦覧所を営んでいた松屋は、1894(明治27)年から上田駅で構内営業を開始。ウェブサイト・駅弁資料館さんは1997(平成9)年頃に撤退したと推定しており、同年5月に発行した『東日本駅弁百科』(ジェイアール東日本企画)に名前があることから、10月1日の長野(北陸)新幹線開業のタイミングで撤退したのかもしれません。二十数年前のことすらよく分からないというのが、ロクに記録が残っていない業界の現状です。
新設の駅では場所代が従前から高くなり撤退、という話は聞きますが、単に新幹線開業が撤退の潮時だと思っていたのでしょうか。その後、上田では小諸のひし屋が弁当を、横川の荻野屋がそばを売り始めましたが両社とも撤退し、のちに町の弁当屋が入るも定着せず、現在はこれといって何もありません。